会長の挨拶
『現場課題をていねいに拾い、
政策提言し、農業を成長産業に』
公益社団法人 日本農業法人協会
会 長 香 山 勇 一
昨年1月に国内で初めて確認された新型コロナウイルス感染症は世界中に猛威を振るい、先進国を中心にワクチン接種が進んでいるものの、未だ収束が見通せない状況となっています。
併せて近年、大型台風、局地的な豪雨、地震、さらには鳥インフルエンザや豚熱の蔓延など、相次ぐ大規模な自然災害に見舞われています。
一方、国内では高齢化・人口減少傾向が本格化し、生産年齢人口が 30 年後には現在の7割まで減少すると見込まれ、農業においても、25 年前より半減している基幹的農業従事者が今後も大幅に減少すると危惧されています。
このような中、農林水産省は、農業の成長産業化に向けた取り組みが不可欠として、①農地バンクによる農地の集積、②農林水産物・食品の輸出促進、③コメから高収益作物への転換、④スマート農業の実装、⑤環境と調和のとれた生産
(みどりの食料システム戦略)を掲げて推進しています。
いずれも重要かつ喫緊の課題ではあるものの、農業・農村の実状、農業者の意向等と齟齬がないのか、どのようにしたら取り組めるのか、現場からの提 案、提言が不可欠です。
公益社団法人日本農業法人協会は平成 11 年 6 月に設立し、会員は経営感覚を
持ち自らの判断でチャレンジする全国各地の農業法人 2,065 社となっています。生産、加工・販売、観光業等、多種多様な経営者が集い、互いに研鑽し合うとともに、その法人や農業経営者が活躍できる環境の整備や農業・農村の構造的な問題の解決、しいては我が国の農業・農村の発展に向け、毎年、政策提言等を続けてきています。
地域農業を担う農業法人等が何を求めているのか現場の課題をつぶさに拾い上げ、国に政策提言することで、現場実態に即した農業政策の推進を求めています。